米澤 英宏
光量子制御研究チーム チームリーダー
研究概要
当研究チームでは、光量子コンピュータの実現を目指し、量子系に対する高精度な測定と推定器の実現、それを用いた制御技術の開発、さらに関連する光量子技術の研究を行っています。量子系では、量子状態が外乱や測定の影響を受け変動することから、量子状態を巧く操るための制御技術が特に重要となります。そのためには、まず量子状態の高精度な推定が必要となり、その上で量子系に対するコヒーレント制御と測定ベース制御を実現する必要があります。コヒーレント制御とは測定を介さない制御技術であり、測定器を用いることで生じる狭帯域化・複雑化を避けることができます。測定ベース制御技術は、測定を基にした制御であり、測定の持つ強い作用を利用することでコヒーレント制御より複雑な処理が可能となります。当チームでは、これらの研究を通じ光量子コンピュータや量子情報処理技術の実現と高性能化を目指します。
代表的な研究成果
・S Yokoyama, et. al., “Feasibility study of a coherent feedback squeezer,” Phys. Rev. A 101, 033802 (2020)
・S Yokoyama, et. al., “Characterization of entangling properties of quantum measurement via two-mode quantum detector tomography using coherent state probes,” Opt. Express 27, 34416 (2019)
・W. Asavanant, et. al., “Generation of time-domain-multiplexed two-dimensional cluster state,” Science 366, 373 (2019).
・S. Yokoyama, et. al., “Ultra-large-scale continuous-variable cluster states multiplexed in the time domain,” Nature Photon. 7, 982 (2013)
・H. Yonezawa, et.al., “Quantum-Enhanced Optical-Phase Tracking,” Science 337, 1514 (2012).
光の量子状態の推定