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理研量子コンピュータ研究センター(RQC)
RIKEN Center for Quantum Computing Established

ハードウェアからソフトウェア、
基礎科学から応用まで幅広く研究。

2021年、理研で量子コンピュータ研究センターが誕生しました。量子情報科学という新しい分野の最先端を切り開く量子コンピュータの開発を目標としています。
20世紀初頭に誕生した量子力学は、物理学の基礎理論として科学の広汎な分野の発展に貢献してきました。しかし20世紀の終わりから急速に発展してきた量子情報科学の観点では、人類はまだ量子力学を完全に使いこなしていないということが明らかになってきました。量子コンピュータ研究センターでは、量子力学の原理に基づく革新的な情報処理技術としての量子コンピュータの実現を目指して、ハードウェアからソフトウェアまで、また基礎科学から応用まで一貫した研究開発に取り組み、量子技術の可能性を拡げていきます。

理研での量子コンピュータ開発の歴史を紐解くこと2001年にさかのぼります。21世紀の科学技術の根源となる知見を開拓することを目指した「理研フロンティア研究システム」において、故外村彰博士がグループディレクターを務めた単量子操作研究グループが発足し、その中に蔡兆申チームリーダー率いる巨視的量子コヒーレンス研究チームが誕生しました。ここで量子情報科学に関わる研究を開始しています。中村泰信研究員、Yuri Pashkin研究員、蔡チームリーダー(役職はすべて当時)らが日本電気株式会社(NEC)在籍時に固体素子を用いた量子重ね合わせの制御に世界で初めて成功してから2年後のことです。理研でチームを始動し研究を続けて今年で20年経ち、中村センター長の下、研究センターへと発展しました。
量子コンピュータ研究センターでの開発ターゲットは、中村センター長、蔡チームリーダーらが取り組んできた超伝導方式による量子コンピュータだけではありません。古澤明副センター長らが取り組む光方式の量子コンピュータ開発、半導体中の電子スピンや真空中の原子といった様々な物理系を用いた方式に関するハードウェア研究を行うとともに、量子計算理論・量子アルゴリズム・量子アーキテクチャなどのソフトウェア研究も推進する、量子コンピュータ分野を広く網羅した研究開発拠点となっています。

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